SUPER BEAVER 「音楽」という名盤

趣味の部屋

「音楽」 SUPER BEAVER 基本情報

音楽 SUPERBEAVER 2024/2/21
01.切望
02.グラデーション
※東京R2 血のハロウィン編 運命 主題歌
03.ひたむき
※僕のヒーローアカデミア OP
04.リビング
05.値千金
※第103回全国高校ラグビー大会テーマソング
06.めくばせ
07.奪還
08.決心
※inゼリーエネルギーブドウ糖 CMソング
09.幸せのために生きているだけさ
※マルス・ゼロの革命 主題歌
10.裸
11.儚くない
※東京R2 血のハロウィン編 決戦 主題歌
12.小さな革命

「音楽」というド直球なタイトルの傑作

2024年2月21日に満を持して発売された、
レぺゼンジャパニーズポップミュージック・フルルルルルロムトーキョージャパンなロックバンド。

SUPERBEAVERの9枚目のフルアルバム、その名も「
前作の「東京」が発売された後に出たシングル「ひたむき」を聴いたときから
次回作のアルバムもどエラい作品になるのでは、と思っていたけれど、いやはやさすが。

」というド直球なタイトルがとてつもなくふさわしい傑作でした。
アーティストが発売する作品は、タイトルに限らず楽曲であれば=音楽でもあるわけで。
その「音楽」ということばをアルバムタイトルに冠したということは、
これがSUPERBEAVERの現在の音楽、SUPERBEAVERの考える音楽、という期待を胸に抱いてしまう。
シンプルゆえにプレッシャーのかかるタイトルであろうと思ってしまうのだけれど、
聴き終わった後は心地よい感動と得もいわれぬ高揚感に包まれた。

楽曲ひとこと

ここから先は、聴いた感想を歌詞カードも拝借しながらつらつらと書いていくので、
前情報なく楽しみたいのだ、という方はさっさとページを閉じて「音楽」を買いに行ってください。

口火を切る一曲目の「切望」。
過去作でも一曲目が「アルバムを聴くということ」に惹き込んでいく力強さを持っているが、
この切望はそんな切り込み隊長たちのなかでも一番好きかもしれない。
どこか「証明」を感じる雰囲気もあるのだけれども熱量、歌詞よさ。MVも解禁されたのでぜひ。

二曲目は「グラデーション」。
映画「東京リベンジャーズ」の主題歌にもなった一曲。
SUPERBEAVERが一躍有名になったのも「名前を呼ぶよ」の効果が大きかったように感じる。
タイアップだからとかでなく本当に好きな一曲。日々発することばの真意の多くが、0か100かの意味合いでなくどこかに違う意味や意図を含んだものだよな、という思いをグラデーションということばで表現するのがしっくりハマる。

三曲目は「ひたむき」。
今作の中では一番早く耳にできた楽曲。自分だけは自分に嘘をつきたくないなと思える。
自分を主張することにためらいを感じたり気恥ずかしさを感じたり。
そんな気持ちは人が持つ当たり前の感情だと思うけれど、自分の価値をそれだけ卑下しなくていい。
自分の中で決意できているのなら、今日を人生のピークと言い続けられるのなら。

四曲目は「リビング」。
ここまでのアップテンポで駆ける三曲から少し落ち着いた楽曲。
自分が30歳に近付いているからか、結婚だとか恋人だとか、そういう繋がりだったり、
お互いの気持ちやことばの思いがヒシヒシ伝わる楽曲。「このままずっと」。
そうだよなあ、そのことばはきっとあまいんだよなあ。変わっていくことも含めて「このままずっと」。

五曲目は「値千金」。
青春って感じの曲。八曲目の「決心」もなんやけど、学生生活にビーバーの楽曲と出会えていたら
たくさん背中を押されたろうなあと思える。試合の結果、コンクールの結果とかどうしても勝ち負けや順位はついてまわるけれど、大人になって振り返ったときには、毎日の練習とか放課後にしゃべりあってたこととかそういうことを思い出すんだよ。結局、そういう時間を過ごしたことが結果より大切だったり支えになったりする。

六曲目「めくばせ」。
「便利もいいけどさ 手間暇は愛だよな 行間に隠れた 人肌みたいなものに気付きたいな」
この歌詞が本当に好き。音楽を聴くのもスマホ一つでどこにいてもすぐに聴ける時代だからこそ、
CDというモノの透明のビニールをぺりぺりと剥がす感覚、帯に書かれたメッセージ、歌詞カードの匂いや手触り、円盤をコンポに入れて再生ボタンを押す瞬間。そういったものを大切にしたい。発売発表があってから発売されるまでのワクワク感も最高の調味料であって、そのすべてが便利さでは得られないんだよ。

七曲目「奪還」。
これはいまの自分にすごく刺さった曲。やりたいこと、好きなことがたくさんあるこの時代に一つに絞るという選択しは果たして正しいのかどうか。一つのことを極めて突き通す様もかっこいい。けれどその代わりに自分の好きだったこと、やりたかったことを捨てる。そうするしかない常識を壊す考え方。「二兎を追って 二兎を得よう」

八曲目「決心」。
これは初めて聴いたときから爽やかさ含めてめちゃくちゃ好きになった曲。歳を重ねるごとに高校生とか大学生を、
まだまだ若いやん、と思えるようになったんだから、いまの自分もきっと将来の自分から見ればまだまだ若いんだよなあ。いつまでも青春で未完成なんだよ。「身の程なんて まだ知らない まだ知らない 未完成を恥じるなよ」

九曲目「幸せのために生きているだけさ」。
ビーバーの軸を感じる一曲。「じぶんの幸せ。あなたの幸せ。」それを思う楽曲が多いからこそ、
たくさんの人に届いて支えになってるんだなと思う。それは彼らの生き様がかっこいいからであって、
いつまでもそうあってほしいと思ってしまう。

十曲目「」。
バンド楽曲でなく、ぶーやんとやなぎの弾き語りチックな曲。
SNSやインターネットを通じてたくさんの人とつながることができる時代だからこそ、
その人たちを大切にしようとしすぎるあまり、傷つくことも疲れることも増えたなと感じる。
そんなときに支えてくれるのは身近な家族であり友人であり。親愛なる人とのつながりは大切にしたい。

十一曲目「儚くない」。
これも「東京リベンジャーズ」の主題歌ですね。
辛いことやしんどいこと、うまくいかない毎日が続くと、考えたくなくても考えてしまう楽になる方法。
理屈とか倫理とかじゃなくて。でもやっぱり一番大切なのは生き続けることなんだよ。儚く美しい散り方なんてなんにも良いことじゃないんだよ。生き続けないとビーバーの新曲聴かれへんからなあ。

十二曲目「小さな革命」。
もう曲聴く前からタイトルでいい曲やん、てわかる曲。
ロックって大きな変化を訴える曲も多いんだけど、それがどれだけ人気であってもどこか冷めた目で見てしまう。
現実離れしすぎたことばはどこか浮わついてる気がしてしまうんだろうな。
本当の変化は自分の中の小さな革命でいいんだよ。その積み重ねが気付けば大きな革命になってるんだよ。
まずは一歩。小さな革命を起こすんだよ。

まとめ

書き終わった後に読んだけど長いなあ。だれが読むんやこんな文章、と思ってしまった。
読みにくかったりするところも多いと思うんだけどここまで読んでくれた方ありがとうございます。

いい小説とか漫画とか、映画とか含めて終わったときに感じる静かな興奮と感動。
「ふあああああ、なんかめっちゃよかった!」
そう感じながら心臓がバクバクする経験を得られるのはアルバムを通して聴く音楽も同じだと思う。
すげえいい作品を歌詞カードを眺めながら通して聴く。
ストリーミングやYouTubeで一曲一曲を気軽に楽しめる便利な時代だからこそ、
CDを買って、じっくりアルバムという一つの作品を堪能して感動する。

そんな手間暇を大切にしていきたいし、
そうして出会えたアルバムはきっとこれから先の人生を支える大切な一枚になる。

SUPER BEAVER 「」。本当に大好きな一枚。
※音楽の色を変えているのはアルバムのコンセプトを参照しています。
 デザインとか色彩感覚がバグったとかではないのでご了承くださいませ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました