お金の知識2-お金の歴史-

お金の知識

お金を信用する世界

うさきち
うさきち

お金っていう存在を信用してるって考えたことなかったなあ。

生まれたときからそれが当たり前やったから。

がまぐち
がまぐち

ほとんどみんなそうやろうなあ。

どうやってお金を信用するもの、って考えるようになったんやろか。

うさきち
うさきち

たしかに。何事も当たり前になるまでが大変やもんな。

あ、そういえば、お金のはじまりは「物々交換」って聞いたことあるで。

がまぐち
がまぐち

「物々交換」なら難しい信用とか考えんでも、モノがいるかいらんかやからな。

うさきちは、ニンジンとならなんでも交換してくれそうやし。

うさきち
うさきち

は?なんやそれ。バカにしてるんか!

がまぐち
がまぐち

ご、ごめんやん。

気を取り直してお金がいまの形になるまでの歴史について勉強していこか。

お金の歴史

お金の歴史は、「物々交換」がはじまりと言われています。

小学生のときに学んだ歴史の授業を思い出してみてください。

小さな村の集落で、ひげモジャモジャの人たちが、米と木の実、魚と肉などを交換して生活しています。

一方、現在では、硬貨や紙幣といったものがお金として使われています。

かつて魚だったお金がいかにして、紙幣にまで変身を遂げたのか、その歴史を振り返ってみましょう。

物々交換

お金のはじまりである「物々交換」において、信用するのは、そのモノだけでした。

「これは本当に価値があるか」「他の取引に使えるか」といった余計な心配はいりません。   

「相手がそれを必要としているかどうか」で取引きできるかが決まります。

取引きとしては単純ですが、「魚が食べたい」と思う人がいなければ、

漁師は取引きできず、他のモノが手に入らなくなってしまいます。

魚は腐ると交換はできません。当時は干物にする知恵があったのかもわかりません。

そしてもうひとつ、魚が大量に捕れる日もあれば、まったく捕れない日もあります。

これは魚だけでなく、米や木の実など、取引きに使用されていた他のモノにも当てはまります。

物々交換は、単純な取引きですが、「保存が効かない」「量が不安定」などの問題がありました。

実物貨幣

それらの問題があり、物々交換から「実物貨幣」と呼ばれるお金になりました。

物々交換と似ている部分がありますが、貴重な金属などが交換の手段として使われました。

古代ローマでは、貴重品であった塩なども貨幣として使用されています。

実物貨幣は、お金としてだけでなく、モノそのものに利用価値があります。

利用価値が高くなる(塩が調味料として人気になる)と、お金としての価値も高くなってしまう、

という欠点がありました。お金としての価値が不安定である、ということです。

兌換紙幣

「実物貨幣」に続いて登場したのが、兌換だかん紙幣」です。ここで、お金が紙になりました。

ところで、お金のように信用があるモノは何でしょうか。

そうです。きんです。

町中をぶらついていたら「きん・プラチナ高価買取!」みたいな看板を目にしたことはありませんか。

そうです。そのきんです。

モノとしての「きん」は現在でも価値があり、実物貨幣の一つとしても使用されていました。

しかし、大量に持ち歩くには重すぎるため、当時の銀行のようなところに預けていました。

兌換だかん紙幣」というのは、そのきん」の預かり証のことです。

預かり証があれば「きん」を持っている、という証明になります。

つまり、その預かり証で支払うと、相手は銀行で預かり証を「きん」に交換できるということです。

では、このときのお金への信用は預かり証(紙幣)の価値に対してでしょうか。

いえ。きんです。

兌換紙幣はあくまで預かり証であって、その価値はきん」と交換できるという点にあります。

これは兌換紙幣の特徴ですが、そこには弱点もありました。

景気が良くなり、「お金をもっとろう!」と思っても、兌換だかん紙幣は「きん」の量以上に増やせません。

兌換だかん紙幣はお金を増やすことに対応できず、経済成長の足かせになってしまうのです。

不換紙幣

さて、お待たせしました。魚からようやくここに辿たどり着きました。

現在のお金……不換ふかん紙幣」です。

不換ふかん紙幣は、兌換だかん紙幣と違って「きん」の価値がありません。(購入することは可能です)

各国が決めたお金であり、そのお金に価値があると信用していることで成り立っています。

アメリカの「ドル」、中国の「元」、日本の「円」など、名前は違いますが、すべて不換ふかん紙幣です。

不換紙幣は、増やす(増刷ぞうさつする)ことができるため、経済成長に対応することが可能です。

ただし、お金を増やしすぎるとお金の価値が下がる、という全体量を管理する難しさが弱点でしょう。

日本では、中央銀行である日本銀行の総裁そうさいが、紙幣を発行する権限をもっています。

政府に権限がないのは、政策を行うために、紙幣を大量に発行する恐れがあるからです。

一方で、貨幣(硬貨)の発行は政府が権限をもっています。

貨幣(硬貨)であれば、紙幣ほどの金額にはならないため、問題ないとされています。

まとめ

お金の歴史は「物々交換」→「実物貨幣」→「兌換紙幣」→「不換紙幣」という流れでした。

特に意識することがなければ、現在のお金のシステムについて疑問に思うこともないでしょう。

しかし、不換紙幣にも弱点があります。「お金を増やしすぎるとお金の価値が下がる」

この点に「お金の偽造ぎぞう」(偽札にせさつ)が大きな犯罪となる理由が含まれています。

子どものときに「お札をコピーして増やしたら大金持ちになれる!」と考えたことはありませんか。

仮に、日本で誰かが偽造ぎぞうに成功し、そのお金が使えたとします。

使えたなら占めたものでしょう。

どんどん偽札を作っては使いを繰り返し、世の中に出回る「円」の量が多くなり価値が下がります。

何もしていないのに増えているお金を誰が信用するでしょうか。

増えた「円」を「ドル」に換えると「ドル」の信用がなくなります。行きつく先は世界的な経済混乱。

現在のお金のシステムを崩壊させかねません。だから、お金の偽造ぎぞうは大きな犯罪なのです。

歴史を振り返れば、変化の背景に何があったかがわかります。その改善を繰り返していまがあります。

色々な当たり前に目を向け、その歴史を振り返ることで新たな発見につながるかもしれません。

ではでは。

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